ポーランドの現状:クラクフ市でのウクライナ避難民支援の現状

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ポーランドの国境警備隊は、1/18時点で、同国に入ったウクライナからの避難民が922万人に達したと発表しました。
このような状況下で、当社がオフィスを構えるクラクフがどのような状況なのか、現地で撮影した映像資料を交えてご紹介します。

クラクフ:ポーランド南部最大の都市で、人口は約78万人。ウクライナ西部の大都市リビウとは、
幹線道路でつながっており、電車も様々な場所に発着するため、毎日多くの避難民の方が訪れている。

避難民の増加

12月のウクライナの首都・キーウの気温は氷点下前後で推移しており、
前線であるドネツク州の町・バフムートではマイナス11度まで気温が下がった。

インフラ設備への攻撃により深刻な電力不足に陥っていることを受け、
ウクライナ政府は、東部から避難して来た市民たちに対し、
冬の間は海外に滞在するように促している

夏の間に避難民の移動が減少し、多くの支援所は支援規模を縮小したが、
このような冬場の状況を受け、
ルーマニアやポーランドなどの近隣国では、わずかに避難民の増加が報告されている。

ウクライナの隣国であるポーランドでも、
物価とエネルギー価格の高騰が顕著であることから、
長い冬を乗り越えるにあたって、受け入れ先のキャパシティオーバーが懸念されている。

クラクフ市による避難民支援の現状

避難民支援の最前線で活動する、クラクフ市福祉課ディレクターのヴィトルド・クラマシュ氏に、
避難民支援の現状についてインタビューしました。
(インタビュー日時:2022年12月)

ポーランドのクラクフに現在滞在する避難民数

避難民の方々は非常に流動的に移動しているケースが多いので、
正確な現状の数字は把握できていません。

しかし、2022年4月1日時点統計データによると、クラクフには約27万人のウクライナ避難民がおり、これはクラクフの人口の20%を占める数でした。
また、2022年10月31日現在のPesel(個人識別番号)登録データによると、
クラクフ都市圏(つまり市域内かその近辺)に住むウクライナ避難民は5万1,805人で、そのうち37,000人がクラクフ市に住んでいます

 

避難民に限定せずクラクフ周辺に住むすべてのウクライナ人(つまり2022年以前にクラクフにやってきたウクライナ人)を合わせると、
推定18万人のウクライナ人がクラクフに住んでいます。
(2022年5月時点、ポーランド大都市連合まとめ)

これに加えて、5万4,000人のウクライナ人がクラクフ都市圏に居住していると推定されています。

※ポーランド大都市連合による調査については、
こちらから日本語でのまとめ記事をお読みいただけます。

クラクフ市が運営するシェルター

2022年12月現在、ウクライナ避難民支援シェルター(カペランカ通り54番地)は、410名の定員で運営されています。
このほか、ルジツカ通りのシェルター(定員6名)、リディギエラ通りのシェルター(定員8名)が用意されています。

一方、避難民流入ピーク時には、下記規模でシェルター運営が行われていました。

ウクライナ侵攻開始から2022年12月1日までに、
上記それぞれのシェルターに宿泊した方の人数の総計は以下の通りです。

現在でも運営が続いているKapelanka 54のシェルター内部の様子

【写真】社会福祉法人福田会/ASAGAO sp. z o.o.撮影

クラクフ市が他団体やポーランド国外自治体との協業実績

財団法人台湾仏教慈済(Tzu Chi)慈善事業基金会

2022年7月16日に、ウクライナ避難民に1家族あたり1,000PLN、総額100万PLNのバウチャーを寄贈する支援プロジェクトを実行開始。
TzuChi慈善事業基金会の資金提供を受け、
クラクフ市福祉課のスタッフが、個人/家族のグルーピング、バウチャー配布準備を担当しました。

グループ分けでは、ウクライナ侵攻の影響で母国を離れクラクフに滞在しているウクライナ人を

  • グループA:高齢者や障害者
  • グループB:子供のいる家族
  • グループC:積極的な求職や就職など、自分の状況を改善するための活動を行っている人家族1人につき1,000PLNを支援しました。100万PLNに及ぶ証憑を発行しました。

の3グループに分類し、
これらのどれかのグループに属する方に対してバウチャーが配布されました。

社会福祉法人福田会

2022年9月30日に、クラクフ市に滞在するウクライナ避難民2,000人分に対し、
1名500zl、総額100PLNの冬服購入用商品券を配布開始。

フランクフルト・アム・マイン市(ドイツ)

クラクフの姉妹都市であることから、長年の協力関係の一環として支援活動が実現。
2022年11月にウクライナ市民のためにSodexo(団体向けのフードサービス)の商品券3万5000PLN分が
クラクフ市福祉課に寄贈されました。

複数都市と個人献金者

ウクライナ避難民の子どもたちのための専門治療施設をオープンするにあたっての
設備、車両や不動産の購入といった初期費用を、下記支援者から頂戴しました。

ライプツィヒ市(ドイツ)

ウクライナ避難民向けアパートして活用する予定の建物の改修と家具の設置のために、
233,500PLNの寄付を受け、住環境を整備しました。

台北市/ポーランド人個人献金

クラクフの民間老人ホームにウクライナからの高齢者を入居させるための費用として、
合計210,050PLNの寄付を受けた。

取材協力について

当社には、クラクフに駐在する日本人・ポーランド人・ウクライナ人スタッフがおります。
・クラクフやその周辺での取材同行(兼通訳)
・クラクフやその周辺の写真/動画撮影(機材:iPhone)
・インタビューへのご回答
・ウクライナから避難してきた方や、ポーランドでボランティア活動を行っている方への取材アレンジ
・ポーランドでの各種報道/SNS投稿の翻訳
などの形で、メディアの皆様にご協力させていただいております。

ご相談は、下記メールアドレスまでお願いいたします。
info@asagao.pl

ご寄付受付について

当社では、クラクフ在住の日本人、ウクライナからの避難民の皆様と一緒に、
物資が枯渇しつつあるウクライナ国内に、いち早く必要な物を届けるための募金活動を実施しております。
詳細は、こちらからご確認ください。