ポーランド人の平均労働時間EUで最長に

ビジネス

パンデミック後の労働時間と働き方

2020年のポーランド人の年間平均労働時間が1,848時間となり、ハンガリーと並びEU諸国内で最長となった。Eurofound社によると本数字は2019年~2020年のコロナウィルス感染症発生後の働き方の変化が反映されており、最も労働時間の短い国はドイツ(1,574時間)、フランス(1,610時間)、オランダ(1,635時間)となっている。

そして、2022年OECDの統計によるとポーランドの年間労働時間は1,815時間となり、これは世界で11番目に長い労働時間である。

数字は正規雇用者(フルタイム)の労働時間統計となっており、日本のフルタイム労働者の年間労働時間平均はOECDによる2022年の数字で1,607時間となっている。日本とポーランドを比較すると、ポーランドの労働時間が上回る結果となった。

コロナウィルス感染症パンデミック発生後のEU全体の働き方変化としては

  • 有給休暇日数は増加傾向(EU規程の年間最低20日間と比較し、EU加盟国27か国平均は24.5日)
  • 従業員の安全を考慮したテレワークの推進(ポーランド国内での在宅勤務者割合は2019年4.6%から2020年には8.9%へと増加)

が主な変化としてあげられる。

ポーランドでの働き方

ポーランドもまた、パンデミック後に労働法の改正などの変化が見られた。年間有給休暇は26日で、週休2日が定められている。また、2020年の労働組合の参加率は12%となっている。

今年の春から、ポーランドでは新労働法が施行され、雇用者は従業員のテレワーク環境を整えることやテレワーク促進に際して、雇用者がアルコールチェックを行うことができることが定められた。

テレワークに関する新労働法については以下の記事からご覧いただけます。

編集後記

ポーランド人は一般的に自他共に認める働き者、と呼ばれています。IT産業が急成長する同国ならではの上記水準の変化であったのではと感じました。

一方で、日本と大きく違うと感じる部分では、勤務時間の自由度があげられます。フレキシブル勤務時間を謳い採用活動をする企業も多く、朝7時からの8時間勤務で午後15時過ぎには退勤をしてしまう人も少なくありません。

従業員契約ではなく、個人事業主登録をし、会社とB2Bの契約を結ぶ人も増える中で、成果主義で勤務時間自体を記録しない企業もIT関連会社を中心として増えているように感じます。

出典

OECD 「世界の労働時間 国別ランキング・推移」

関連記事

タイトルとURLをコピーしました