コロナ渦に誕生した、ポーランドのエコシステム集結の地
「アントレプレナーのコミュニティー」で知られるアメリカのケンブリッジ・イノベーション・センター社がポーランド、ワルシャワに拠点を立ち上げた。
2020年に運営を開始した同センターは、起業家、研究者、企業等あらゆる人々を繋ぎ、イノベーションを促進することを目的に、プライベートオフィススペース、コワーキングスペース、カンファレンスルーム、イベントスペース、カフェ等を備えた複合施設である。コワーキングスペースのみで6000sqmを有する大型施設で、ワルシャワ中央駅の目の前という立地からも多くの起業家が注目する投資となった。
同社は、ワルシャワの他にボストン、マイアミ、東京を含む7箇所に拠点を設立しており、会員は世界各地のイノベーションセンターへアクセスすることの出来る仕組みとなっている。
ボストンのケンブリッジイノベーションセンターが発祥のNPO団体であるVenture Cafeは、ワルシャワでも活動を行っており、パンデミック下の現在でも毎週木曜日にはネットワーキングイベントが開催している。
ポーランドはIT分野で近年注目を浴びており、3000社以上のスタートアップ企業と130社を超えるベンチャーキャピタルが存在している。この数は、ヨーロッパの中でも突出している。
また、430,000人程のIT人材が同国にいるといわれており、中東欧で最大の人材の宝庫となっている。
大学の学部でも近年人気を増している学部は軒並み揃ってコンピューターサイエンス等であり、男性だけでなく女性にもこの傾向があてはまることが特徴でもある。
編集後記
ワルシャワ中央駅を出てすぐの所に現在建設が進む、ヨーロッパ一の高層ビルVarso Twoerと同じVarso Place内に入るCambrige Innovation Center。筆者が訪れた際には、17時過ぎにも関わらず沢山の若者がパソコンに向かっていました。
会員専用のプライベートオフィス、コワーキングスペースに加え、一般に解放されているオープンスペースも広く、個人で仕事を進める人、仲間と一緒にコワーキングをする人の両方の姿が見られました。
働く場所して創られているのにもかかわらず、かなり開放感のある設計となっており、誰もがふらっと立ち寄ることの出来る雰囲気が特徴だと感じました。
主要駅からも徒歩数分とアクセスも良好。2005年にワルシャワでオープンしたGoogleキャンパスワルシャワが中心地から少し距離があることを考えると、一等地に立つ同施設は地方から出張で来る人、オフィス街での仕事が多い人にも立ち寄りやすいロケーションです。
ワルシャワ、クラクフ等の都市部には様々な形でコワーキングスペースが多数運営されていますが、高層マンション、スーパー等も同区画に設備されているケンブリッジイノベーションセンターは、起業家にとって憧れの居住・ワーキング空間となるのではないでしょうか。