ポーランドの国境警備隊は、6/18時点で、ウクライナから国境をまたいでポーランドに入った人の数が1270万人に達したと発表しました。
このような状況下で、当社がオフィスを構えるクラクフがどのような状況なのか、現地で撮影した映像資料を交えてご紹介します。
クラクフ:ポーランド南部最大の都市で、人口は約78万人。ウクライナ西部の大都市リビウとは、
幹線道路でつながっており、電車も様々な場所に発着するため、毎日多くの避難民の方が訪れている。
ポーランド企業の8割以上がウクライナ人を雇用
個人分析センター “Gremi Personal “の調査によると、ポーランド企業の80%以上がウクライナ人を雇用している。
36%の企業で、雇用しているウクライナ人の総数が社員数の10~20%に達している。
10社に1社は社員数の20~40% ウクライナ人を雇用しており、社員数の50% ウクライナ人を雇用していると回答した企業は5%であった。
また、回答者のほぼ半数(43%)が、ウクライナ人は有資格者・無資格者のどちらであっても
職を得ることができると答えた。
66%の企業が、ウクライナ人は新しい労働環境に対して非常に柔軟であり、
ポーランド社会への適応に難しさを感じなかったと回答しており、そのような難しさを感じた企業はわずか7%だった。
ポーランドの労働市場は、常にウクライナの労働者に手を差し伸べてきた。
しかし、戦争によるウクライナの出国制限により、ウクライナの労働者は深刻な影響を受け、
またポーランドの労働市場にも問題を生じさせた。
肉体労働に耐えうる男性の代わりに、子連れの女性や高齢者を中心とした避難民が次々と労働市場に押し寄せてきたのだ。
その結果、ウクライナ人の6割近くが就職に成功したが、そのほとんどが自分の専門分野ではない職業に就いているという。
たとえ大卒であっても、仕事でコミュニケーション可能なレベルのポーランド語の知識がないために、より低い賃金条件で仕事を探さなければない状況にある。
ウクライナ避難民の滞在延長・特例設置
ポーランド国会上院で可決されたウクライナ特別法改正案は、2024年3月4日までのウクライナの在留資格者の滞在期間の変更などを想定しており、
ポーランド共和国大統領の署名を経て、公示日から14日以内に施行される予定。
改正法はまだ発効されていないが、できるだけ早く実現することが期待されている。
また、ポーランドに合法的に滞在するため、下記の特例が導入された。
・小・中学生は2024年8月31日まで滞在可能
・高等学校卒業生は2024年9月30日まで滞在可能
どちらの特例も、子どもが18歳未満の場合に限り、子どもの保護者に対しても同法が適用される。
今回の改正案を受け、クラクフ市内に住む避難民の方々は以下のような反応を示している。
「私たちは、可能であれば一日でも早くウクライナの家に帰りたい。だけど今は、もし私たちがウクライナに帰ったら、私たちは危険な環境の中に身を置かなければなりません。
私たちウクライナ人をサポートし、助けてくれる全てのポーランドの人々に感謝していますし、滞在期間が延長されたことをとても嬉しく思っています。
家には帰りたいけれど、私の孫娘は、『おばあちゃん、私はまだ若いから、もっと生きたいし、ミサイルで死にたくない。』と私に話しています。」(64歳・女性)
取材協力について
当社には、クラクフに駐在する日本人・ポーランド人・ウクライナ人スタッフがおります。
・クラクフやその周辺での取材同行(兼通訳)
・クラクフやその周辺の写真/動画撮影(機材:iPhone)
・インタビューへのご回答
・ウクライナから避難してきた方や、ポーランドでボランティア活動を行っている方への取材アレンジ
・ポーランドでの各種報道/SNS投稿の翻訳
などの形で、メディアの皆様にご協力させていただいております。
ご相談は、下記メールアドレスまでお願いいたします。
info@asagao.pl