ポーランドでは、大気汚染が一つの社会問題になっています。
ポーランドのエネルギー事情という記事でご紹介したように、
ポーランドは発電方法を石炭を使用した火力発電が多くを占めてました。
その一方で、EU加盟以降、再生可能エネルギーの導入なども積極的に行い、
大気汚染の改善に努めています。
今回の記事では、大気汚染の現状と、
その対策として推進されている交通機関のエコロジー化について、
ご紹介します。
ポーランドの大気汚染
ポーランドの大気汚染は、ヨーロッパの中でも深刻な問題として認識されています。
地図出典:https://airly.org/map/en/#48.31918,9.21387,z5
上記の地図は、各国の大気の状態を示しています。
緑が最もきれいな状態で、黄色から赤になるほど空気が汚れていることを示してします。
ポーランドは隣国のドイツ、チェコやスロバキアと比較すると、
黄色や赤で示されている部分が多いです。
特に当社がオフィスを構えるクラクフは、大気汚染が深刻です。
原因として挙げられるのは、
石炭を使用した発電方法や暖房機能が企業や各家庭で使用されていることです。
2019年の世界銀行の大気汚染に関する報告書では、
家庭用暖房の改善と電気自動車の導入といった交通手段の電気化が
現状を打開するための方法だと示しています。
生活の一部になっている電動キックボード
電動キックボードは、欧米を中心に普及している新たな交通手段です。
日本でも現在導入が進められており、
駅から先の交通手段の不足「ラストワンマイル問題」の解決策として期待されています。。
ポーランドでも多くの人が電動キックボードを利用しており、
電動キックボードに伴う交通ルールはありますが、
バスやトラムなどに加えて、もう一つの交通手段になっています。
電動キックボードは
二酸化炭素の排出量が少なく、
環境に配慮した交通手段です。
電動キックボードを扱う企業「Bolt」は
企業理念に二酸化炭素の排出量の減少を掲げています。
Bolt社はグリーンプランの3つの軸として
①環境に対する影響の把握
②電気自動車や電動キックボードの導入による
二酸化炭素の排出量減少
③植林や土壌保全の投資を行い、
二酸化炭素排出量の中和を目指す
としています。
Bolt社はカーシェアリングビジネスも手掛けており、
同社の参入によって、ポーランドの交通手段は多様化が進められいます。
新たな自動車ルール
ポーランドは、自動車についても新たな規制の導入を進めています。
昨年11月にクラクフ市は、二酸化炭素の排出量を減らすために、
古い自動車の使用を禁止する規制を導入するとしました。
販売開始後31年以上のガソリン車と27年以上のディーゼル車がその対象に含まれ、
市内の道路の交通が制限されます。
また、2026年中期からは、より制限が厳しくなり、
販売開始後25年以上のガソリン車と15年以上のディーゼル車の利用が禁止される予定です。
この規制が本格的に導入されると、
クラクフはポーランドで最初の環境に配慮した車両の交通を認める道路を適用する都市となります。
今後、温室効果ガス排出抑制の規制が導入や持続可能な発電方法の導入などが進めば、
ポーランドの大気汚染も改善が見られると予想されます。
編集後記
ポーランドの大気汚染は深刻ですが、
実際に生活していると空気が汚染されてるという実感はありません。
しかし、データ上で見ると、他のヨーロッパ諸国と比べても違いが大きく、
石炭使用の影響力を知ることができます。
電動キックボードはとても手軽で、
アプリケーションで利用手続きができます。
また、町の各地に電動キックボードのスタンドがあるため、
好きなところから利用を始め、好きなところで利用を終えることが出来ます。
(アプリケーションを通して、駐車禁止な所をお知らせしてくれます)
買い物や少し距離のある移動のための手段として、
電動キックボードは有効な手段の一つになっています。
ヨーロッパ各国に普及しているので、旅行先の名所先をキックボードで回り、
一日で多くの場所を観光できたという方もいます。
一方、日本では新たな電動キックボードの交通ルールについて議論があります。
今後、日本でより電動キックボードが一般的なものになるためには、
新たな交通ルールの導入やその認知が重要なポイントです。