「”暮らし”を都市部に呼び戻す」をモットーとしたガーデンの貸し出しプロジェクトが、ポーランドクラクフ市の主導で始まっている。
市内の使われていない空き地を有効活用し、3名以上のチームを組んで花や野菜を育てることのできる本プロジェクト。「THE INNOVATION IN POLITICS INSTITUTE」の「行政分野におけるイノベーション賞2020」のファイナリストにも選出された。
このプロジェクトの根底には、「大都市に居住する市民は、地域に「都市」としての機能を求めるだけでなく、環境に優しく、社会的なコミュニティーの場所を必要としている」という通念がある。
アーバンガーデンニングのプロジェクトとして発案され、市民は無料で貸出ガーデンを利用することができる。
人間と自然の共生社会を創ることを目的とした同プロジェクト。
ただ花や野菜を育てるだけでなく、近隣住民とのコミュニケーションの場の創生、お互いに教え合う文化の醸成、環境を考えるきっかけ作りとしての効果が見込まれている。
クラクフ市は、元々アーバンガーデンが比較的多く行われている街として知られてきた。大学や市保有の土地で植物の栽培が行われることはあったものの、それらは、地元住民の日常生活に関わることの無いものとして存在してきた。
新たな機能を加えたガーデニング機会をコミュニティガーデンが提供することで、住民の意識変革が期待される。
「近年の近代都市は、そう言った社会的空間を今までになく必要としている」と、企画者であるクラクフ市長JACEK MAJCHROWSKI氏をはじめとする、プロジェクトメンバーは述べている。