クラクフピエロギフェスティバル

文化

2019年8月、「第17回クラクフピエロギフェスティバル」が旧市街の小広場で開催されました。
ピエロギはポーランドの伝統料理で、薄い生地で具材を包み、茹で、様々なソースや生クリーム、砂糖や溶かしバターをかけて食されます。
日本や中国の水餃子と少し似ていると言えるでしょう。)
具の種類は実に多様ですが、最もポピュラーなのは「ルーシー風ピエロギ(Pierogi Ruskie)」というマッシュポテトとチーズを包んだピエロギです。
他にもお肉、キノコ、チェダーチーズなどを包んだおかず系ピエロギのほか、
季節ごとにブルーベリーやイチゴといった果実・ジャムを使ったデザート系ピエロギも人気です。

今回のピエロギフェスティバルでは、15店舗のビストロによって「ピエロギのヤツェック神父杯」「カジミエシュ大王杯」が競われました。
ヤツェック神父とカジミエシュ大王はそれぞれ、クラクフに縁深い偉人です。
カジミエシュ大王は戴冠式から2年後、新しい都市を設立し、その街は後にクラクフと名付けられました。
また、彼はヨーロッパ最古の大学の1つであるクラクフ大学(現ヤギェウォ大学)を設立しました。
ドミニコ修道士であったヤツェック神父は、13世紀に雹の嵐により多くの小麦畑が被害を受けた際、飢餓を恐れる人々に対し「祈りに来なさい」と伝えました。
その後、小麦が無事実ったため、ヤツェック神父へのお礼として、収穫された小麦を使って作られたピエロギが届けられたと言われています。

フェスティバル中には、レストランのピエロギ職人による、ピエロギの包み方ワークショップも希望者全員に向けて行われます。
フェスティバルは終始楽しい雰囲気で、ポーランド音楽などのミニコンサートも行われます。
2019年には同じ日程で「花束フェスティバル」も開催されており、ピエロギフェスティバルに、文字通り花を添えました。 

クラクフピエロギフェスティバルは通常4日間 (8月14日~18日周辺) の日程で開催されます。
自身の料理の腕前を試すだけでなく、最高の皮と具の組み合わせの魔法に出会う、絶好の機会です。

前回のフェスティバルでは、定番の「ルーシー風ピエロギ」の他に、ガチョウ肉と洋ナシのピエロギが人気を集めました。
多くのポーランド人はこのような独創的なピエロギの具にはじめは拒否反応を示しますが、
ひとたび食べると、その美味しさに納得しました。
そしてこのガチョウ肉と洋ナシのピエロギが、2019年の「ベストピエロギ」に輝きました。

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