ポーランド政府による新たな経済政策、「ポーランド政策」発表から100日。
内容と想定される効果とは
ポーランド共和国、モラヴィエツキ首相は9月10日(金)、コロナウィルス感染症によるパンデミックからの経済復興政策として打ち出した、「ポーランド政策」により、ポーランドは欧州一住みやすい国になるであろうと述べた。
本政策は2021年5月に構想が発表され、2021年7月21日草案が公開されている。
2022年1月より施行予定で、主に税制政策として10の項目が挙げられている。特に低中所得層に税制上のメリットがあると言われているが、上記の時期での政策発表は次期議会選挙を見据えてのものであるとの見方も強い。
モラヴィエツキ首相は、「ポーランド政策」構想の発表後、海外からのの帰国を決めた在外ポーランド人も増加しており既に効果が現れ始めている、と強調する。
法案に含まれる主な税制上の変更点は、以下の通りである。
- 税金控除の対象となる所得層の拡大(現在8000zl(約24万円)/年→30,000zl(約90万円)/年)
- 個人事業主に対する社会保険料(ZUS)支払額の変更
- 現在収入に関わらず一律額となっている個人事業主に対する社会保険料が、収入に応じた変動額制となる。
- 社会保険料の税控除対象制度撤廃
- 会社役員への社会保険料支払義務の発生
- 雇用主への不正雇用に対する処罰の厳格化
- 社用車の個人使用への課税制度変更
- ポーランドへの帰国者の個人所得税支払い免除(4年間)
- 一定水準の海外所得に対する定額税の導入
上記の改革により、現在ヨーロッパの中で最も低いとされるGDPに占める医療費への支出割合を、2023年までに現状の4%から6%に、そして2027年までに7%に引き上げるを目標としている。
そのほか、出生率の向上をねらった子ども手当のさらなる充実、持ち家率の増加、大規模交通インフラの整備等が改革計画には盛り込まれている。
新しい変化により、近年インフラが著しいポーランド経済がどのように動いていくのか、年明けからの動向に注目したい。
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