1月から砂糖税が導入されたポーランドで、ソフトドリンクの売り上げが減少していたことが分かった。ポーランド市場監視センター (CMR) は18日(木)、砂糖税導入後の甘味飲料の売上高が、同税導入前と比較して16%減少したと発表した。CMRは「パンデミックによる外出制限の影響も相まってこのような結果が出たのではないか」と分析している。
砂糖税は、砂糖や甘味料入りの飲料に1月から課税されている。税率は砂糖含有量に応じて変動し、1Lあたりの砂糖含有量が100ml未満の場合は0.5PLN (0.11EUR) /Lの課税、100ml以上の場合は砂糖1gあたり0.05PLN (0.01EUR) の課税となる。カフェインやタウリンを含む飲料の税率は0.1PLN (0.02EUR) /L、最大課税額は1.2PLN (0.27EUR) /Lで、栄養補助食品、乳児用調製粉乳、果物・野菜の濃縮物を含む飲料など一部の商品は対象外となっている。
ポーランドの厚生省は、砂糖税を導入する目的として「健康的な食事の選択を促進し、食事の質を改善すること」を挙げている。ポーランドでは現在、肥満者数が増加傾向にあることが問題となっており、国民健康基金(NFZ)が2016年に行った調査では、ポーランド人男性の68%、女性の53%が太りすぎであることが分かっている。また、ポーランドにおける砂糖・菓子類の年間消費量は、2008年の21.5kgから2017年には33.3kgに増加している。砂糖税による収入の大部分はNFZに送られる予定で、 肥満関連疾患に苦しむ人々の治療や、食育、肥満予防プロジェクトに費やされる。
しかし一部の企業や消費者からは、「砂糖税は国の予算のギャップを埋めるための手段ではないか」という疑問の声があがっている。ポーランドの飲料系中小企業は、パンデミックによるレストラン・カフェ・バーの閉鎖により深刻な打撃を受けており、砂糖税導入により破産する企業もあるのではないかと危惧する声もある。
参考:
ttps://www.thefirstnews.com/article/sugar-tax-hits-soft-drink-sales-19918
https://www.politico.eu/article/poland-coke-pepsi-price-sugar-tax/