【ポーランド保健大臣辞任】新規感染者増えるなか

今号では、ヨーロッパの中でも早期対策を行い感染者を抑えたとして評価され、ポーランドの新型コロナ対策を牽引してきたシュモフスキ保健大臣の辞任についてお伝えする。

〇 ウカシュ・シュモフフスキ氏経歴 
心臓専門医、心臓電気生理学者、医療科学教授 
経歴:
・ワルシャワ医科大学卒業 
・2016年11月科学高等教育省の国務次官就任 
・2018年1月保健大臣就任、ポーランド共和国下院9期目の議員就任 
・2019年Płocki選挙区で3万5000票以上を獲得

〇保健大臣として行ってきたコロナ対策 
3月4日の会見でポーランド初の新規感染者を報告してから、シュモフスキ氏は医師としての専門的知識を活かし様々な策を講じてきた。早期のロックダウンや入国制限実施といった水際対策が功を制し、ヨーロッパの中では比較的感染者を抑えることができたと評価されている。また、国内感染者確認以前にリモートワークを推奨したり、託児所等を利用できなくなった子育て世代への追加手当に関する法案をも作成した。

〇次期大臣は… 
8月21日、ポーランドでは過去最多の903件の新規感染者が確認された。パンデミックが始まって以来7万人超の感染が確認されており、依然予断が許されない状況が続いている。
手腕が問われるこの非常事態下で保健大臣に就任したのは、ニィエジェルスキ氏である。前職は国立保健基金(Narodowego Funduszu Zdrowia)代表であり、専門は経済学と定量法・情報システムであるという。
9月3日にはニィエジェルスキ氏が新型コロナウイルス対策を発表した。会見で同氏は、現在の国家規模の政策から地域ごとの状況に焦点を当てたものへシフトしていくと述べた。

一方、前職のシュモフスキ氏は医療現場を支えたいという意思を表明し、心臓専門医として現場に復帰しつつ議員としての活動はそのまま継続する。
小中高で通常授業が再開されてから一週間以上が経つ今、今後のコロナ対策を注視していく必要がある。

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