RUDNIK NAD SANEM~かご作りの町、ルドニク・ナド・サネム~

文化

 ポーランドの南東に位置するRudnik nad Sanem(ルドニク・ナド・サネム) 町。人口7000人にも満たないこの小さな町の主要産業は、かご作りです。プランテーションで栽培された自然に優しい素材と、伝統的な道具を用いてつくられる高品質なかごは、国内外から人気を集めています。2005年の愛・地球博の際には、コンピュータ技術による流線的なデザインのもと、ポーランドパビリオンの外壁にも使用されました。

 ルドニク・ナド・サネムの町に入ると、あちらこちらにかごの直売店の看板が見えてきます。町の中心部にはかごで作られたモニュメントや飾りが置かれ、かご作りが町の生活の一部になっていることを感じることができます。

 ルドニク・ナド・サネムのかご作りは19世紀末に町の地主によって始まりました。住人の一部が、かご作りを学ぶためにウィーンへと渡り、1878年にはかご作り学校が開校しました。これにより、町内ではかごの生産者が増加していきました。1919年時点でかごの生産は、12の会社が輸出をし、30の会社が国内市場で取引を行うという、町の主要産業に成長しました。国内だけでなく、ウクライナ等の隣国とも協力体制が築かれ、複数の組合が設立されるなど、様々な取り組みが行われてきました。
現在、町の中心部にはかご作りについて紹介するカルチャーセンターも設置され、日常生活に欠かせないかご製の箱やバスケット等をはじめ、かご製の家具やペット製品など幅広い商品が製作されています。
 しかし、かご作りの際に用いる伝統的な道具の利用により腰を痛めやすいこと、そして若者の都市流出による後継者不足が問題になっており、この伝統をいかに継承していけるかが重要な課題となっています。

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