クラクフ中央駅シェルターの現状(2022年6月7日更新) ウクライナ侵攻 Twitter Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2022.08.262022.06.07 ウクライナ侵攻開始直後から、クラクフ中央駅には避難民向けの一時滞在シェルターが設置されていました。 避難してきた方のための短期休憩所。電車やバスで移動する人が休憩することができる。 短期休憩所には現在、60台の簡易ベッドが設置されており、夜の時間帯は避難民の方で満杯になることも多いです。 短期休憩所の他に、駅前の商業施設内にはお母さんと子供のためのスペースが用意されています。 さらに、1泊以上の滞在を希望する方のためには、駅構内(旧駅舎)と屋外のテントに滞在場所が設置されており、360台のベッドが完備されています。それでも今月頭頃にはスペースが不足し、急遽ホステルの部屋も取ったと聞いています。 旧駅舎への入り口(駅のホームから撮影) 駅前テントの外観 当社では、ウクライナ国内向けの物資支援に加え、社会福祉法人福田会のポーランド支部活動の一環として、同シェルターに毎日支援物資(食料・日用品)や暖かい食事を届ける取り組みを行っています ポーランドにいる避難民支援プロジェクトについて 物資を保管しておく倉庫がないため、毎日必要な物の買い出しを行っています 暖かいお弁当(ペンネ)を配布するボランティアスタッフ 大人だけでなく、小さな子どもやペットもこのシェルターに身を寄せています。 滞在した子どもたちが描いたイラスト。ウクライナとポーランドの友好を表す内容が多く見受けられる 描いたイラストをボランティアスタッフに手渡す女の子 ボランティア活動に大人と一緒に参加している小さな女の子。このように、週末には親子で参加するボランティアも見受けられる クラクフ中央駅では、ボランティアリーダーが他のメンバーをよく指揮し、サブリーダーが必要物資調達といった細やかなフォローを行うことで、円滑に運営がなされています。ボランティアスタッフは常時20名ほどいて、多国籍(人数の多い順にポーランド人・ウクライナ人、べラルーシ人、ロシア人)ながらとても仲良くスムーズに活動が進められているようです。 しかしながら、24時間体制のサポートをこの場所では提供しているため、ボランティアスタッフの負担は本当に大きいものです。避難民の大変な状況を見ることが一番辛いと、ボランティアスタッフはおっしゃいます。連日物資を届けにこのシェルターを訪れている日本人ボランティアの方からは、「シェルターの入口で車椅子のおばあさんが泣いているのを見て、やるせなかった」という話も聞かれました。 2022年6月7日追記 クラクフ市からの要請を受け、6月6日をもってこちらのシェルターはクラクフ中央駅から撤退することとなりました。背景には、・ウクライナから流入してくる人の数がある程度小康状態にあること・本格的な観光シーズンがやってくるため、駅のスペースを使用し続けることが困難になったことといった事情があるようです。 6月6日午後のシェルター入口。完全に閉鎖されています。 同じ駅の中でも、同シェルターに隣接するウクライナ避難民のためのインフォメーションセンター・休憩スペースは運営を継続しています。 ユニセフが運営する駅ナカの支援センター 避難民のための食料配給所 今回閉鎖されたスペースで支援活動を行っていたボランティアグループは、今後クラクフ郊外に移動し、クラクフに滞在する避難民向けの支援センターを新たに立ち上げる予定とのことです。 新しい拠点の前での、ボランティアスタッフの集合写真 【写真】クラクフ中央駅シェルターのボランティアスタッフ撮影 取材協力について 当社には、クラクフに駐在する日本人・ポーランド人スタッフがおります。・クラクフやその周辺の取材同行(兼通訳)・クラクフやその周辺の写真/動画撮影(機材:iPhone)・インタビューへのご回答・ウクライナから避難してきた方や、ポーランドでボランティア活動を行っている方への取材アレンジ・ポーランドでの各種報道/SNS投稿の翻訳などの形で、メディアの皆様にご協力させていただいております。ご相談は、下記メールアドレスまでお願いいたします。info@asagao.pl ご寄付受付について 当社では、クラクフ在住の日本人、ウクライナからの避難民の皆様と一緒に、物資が枯渇しつつあるウクライナ国内に、いち早く必要な物を届けるための募金活動を実施しております。詳細は、こちらからご確認ください。 ここをクリック