2022年:ポーランドの経済状況と今後の展望

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世界銀行のレポートによると、2022年のポーランドの経済成長は急速に鈍化しました。
今年の国内総生産成長率は3.6%で、前年の5.7%と比較するとその差は大きくなっています。
これには、ウクライナ侵攻が大きく影響しています。
成長率の低下は今後2年間程度続き、2023年の初めごろにピークを迎えると予想されています。

経済成長率低下の要因の一つとしては、ポーランドの製造業の成長鈍化が挙げられます。
石油や天然ガスがポーランドの製造業を支えており、ウクライナ侵攻前にはこれらの燃料の約8割をロシアからの供給が占めていました。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻後のEU全体での経済制裁により、ロシアからの供給が滞り、ポーランドの製造業が打撃を受けることになったのです。

Gross Domestic Product in the 3rd quarter of 2022. Preliminary estimate, Statics Poland

一方、消費者物価指数や物価上昇率は、2021年から2022年にかけて急上昇しており、国民の生活が圧迫されています。
特に2022年9月には、
エネルギーや食料品価格の上昇が影響し、消費者物価指数は15.7%上昇しました。また、物価上昇率も11.5%に達しました。

※消費者物価指数
全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を物価の変動を時系列的に測定するもの。

世界銀行ヨーロッパ・中央アジア地域のチーフエコノミストで経済学者のAsli Demirguc-Kunt氏は、ポーランド経済について、「貿易や投資における潜在的な崩壊に対処するために、マクロ経済的な余裕や政治的信頼性を強化する必要がある。また、避難民を含む最も脆弱な者を守るために基本的な社会保障を強化し、持続可能な未来のために、エネルギーの効率性も高めていく必要がある」と述べています。

現在ポーランドは、ウクライナ避難民全体の60%を受け入れており、この受け入れにより公共サービスや公共住宅の需要が高まることが予想されます。
一方で、個人消費は雇用率の増加や失業率低下の継続、人材の増加や賃金の上昇などによって押し上げられました。
また、繰延需要やウクライナからの避難民も影響しています。
国内需要の高まりが輸入を促進させましたが、ウクライナ侵攻の混乱によりロシア、ウクライナ、ベラルーシへの輸出が少なくなりました。そのため、純輸出は少なくなっています。

GDP成長率の落ち込みやインフレーションは2023年はじめがピークとされています。
今後の回復を祈り、動向を注視していく必要があります。

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