海外投資家による投資の呼び込みは、ウクライナにとって難しい課題です。
ロシアの軍事侵攻下にある今、投資家誘致はさらに難しくなっています。
どのような投資判断も、リスク・リターンの評価に基づいて行われます。
現状、ウクライナへの投資はリスクが高く、他国への人口流出、経済規模の縮小、資産移転の制約などから、中期的なリターンも限られているのが現状です。
しかしながら、これらを理由にウクライナへの投資は全て見送るべき、ということではありません。
ウクライナ企業は、置かれた環境に適応し、稼ぐ力を持っています。
勿論、ウクライナでの戦争は海外投資家にとって紛れもないリスクファクターとなります。
断続的な停電や、ミサイル攻撃などがその例でしょう。
しかし、ウクライナ領土の大半は戦線からは十分離れており、
戦線に巻き込まれる可能性は低いと推定されます。
海外投資家に向けた情報提供
ウクライナ政府による企業支援政策を受け、
大半の企業や産業はウクライナの西部に移転し、事業を継続しています。
従って、海外投資家にとっては、企業が集積されつつあるウクライナ西部が投資対象となります。
ウクライナへの投資リスクを緩和すべく、
投資機会をまとめた情報シート(閲覧はPC推奨)が作成されました。
各地で展開されているプロジェクトや事業を一目で知ることができ、
海外投資家と企業を繋ぐ役割を果たしています。
この情報シートは、Europe Business Association (EBA)、Global Business for Ukraine (GB4U) がウクライナ投資局と共同作成しました。
情報シート上のプロジェクトは、産業別、地域別に抽出可能です。
各プロジェクトの発起人、目的、ステータス、場所、実施期間、投資リターン、投資額などの情報が記載されています。
情報シートには、国土面積・人口から資源分布、教育機関、税制度、産業構造といった
ウクライナに関する一般情報も含まれます。
現在、81個のプロジェクトが、以下の産業から掲載されています。
・農業
・建設業
・交通/物流
・加工業
・食品
・燃料
・軽工業/重工業
・観光
・教育
・鉱業
・廃棄物処理
・ヘルスケア
・事務支援サービス
戦争からの復興、機器の最新化といった短期的な需要に加え、
長期的にも底堅い産業はエネルギー・国防といった領域であす。
加えて、建設、物流、農業、加工業といったセクターにも大きなポテンシャルがあると言えます。
投資における課題
戦時下のウクライナに海外投資家を誘致するために、どのような施策が必要なのでしょうか。
アナリストによれば、以下に記載されるような課題をどう克服するか、道筋を示す必要があります。