ワインの町 ルブスキ県

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ルブスキ県はポーランドの西部に位置し、ドイツと国境を接しています。ウォッカ消費・生産のイメージが強いポーランドですが、同県ではワイン生産も盛んです。今回は、ルブスキ県についてご紹介します。

人口:約100万人
面積:14万㎢
県都:ゴジュフ・ヴィエルコポルスキ

ジェローナ・グラのワイン

ジェローナ・グラは、ルブスキ県の2大都市の一つで県議会が所在しています。

この地では、毎年9月の初めにコンテストを兼ねたポーランド最大のワインフェスティバルが開催されます。このワインフェスティバルの起源は1852年に遡り、当時は地元民と豊作を祝うものであったとされています。

ルブスキ県は、大陸よりも海洋性気候でいくつかの丘の上に位置しており、この地理と気候によってブドウ畑に適した環境となりました。

また、この立地は素晴らしい景観も作り出し、観光地の一つのなっています。言い伝えによると、ジェローナ・グラに初めてブドウ園ができたのは1150年頃とされています。

一方、最古の記録ではブドウの木栽培は1314年に行われたと残されています。ワイン造りはそれ以降、浮き沈みを繰り返しながらも途絶えることはありませんでした。

現在、ヨーロッパ諸国の中でもワインづくりが盛んになった理由としては、地球温暖化による気候変動の影響が挙げられます。

パレードでは、伝統的な衣装をまとった人びとが歩行者天国を歩きます。
そして、地元のワイン生産者がフェスティバルの参加者にワインを振る舞い、地元民や観光客はジェローナ・グラで生産され様々なワインを楽しむことができます。

フェスティバル中には、ワインバスも用意され、参加者地元のブドウ園の見学やワイン造りについて、知ることが可能です。

出典:Winobranie Wine Festival

ノーベル文学賞受賞者 オルガ・トカルチュクの出身地

オルガ・トカルチュクは、ルブスキ県のジェローナ・グラにある町、スレフフ出身の小説家であり、2018年にノーベル文学賞を受賞しました。

『逃亡派』など彼女の作品は、1989年以降の新しいポーランド文学の手本となったとして高く評価されています。

彼女は、2013年に来日し、講演会も開催しました。彼女の著書の中には、ポーランドの都市が舞台になっている作品もあります。

さらに、『逃亡派』と『昼の家、夜の家』は日本でも出版されています。彼女の著書を通して、共産主義時代以降のポーランドへの理解を深めることができます。

出典

Winobranie Wine Festival

inyourpocket
On the Lubuskie Wine Trail

白水社 
「昼の家、夜の家」

CULTURE.PL 
「ポーランドのアルコールを辿って」

サイカル journal
「ノーベル文学賞 2年分発表 ポーランドとオーストリアの2人」

Stay Poland.com 
Zielona Gora

編集後記

ルブスキ県といえば、ワインと言われるほどワインの生産が盛んな地域です。

ジェローナ・グラのワインフェスティバルは多くの人びとがこのイベントに参加し、一年に一度の大きな催し物として、ジェローナ・グラの人々も力を入れています。

もし、ワインの三大生産国はフランス・イタリア・スペインですが、これから更なる成長が見込まれるポーランドのワインも是非味わいたいと思います。

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