ポーランドの外国企業のための”ソフトランディング”プログラム

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 ポーランドでビジネスを構築・展開したい外国人起業家を対象とした新しいプログラム「ソフトランディング」が開始された。同プログラムは、ベラルーシ企業を支援するために9月に立ち上げられた「ポーランド・ビジネスハーバー」というプロジェクトの一環で、現在はベラルーシの起業家のみが利用することができる。
 ソフトランディングはポーランド投資貿易庁(PAIH)、ケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)、ベンチャーカフェワルシャワ及びEY社によって創設された。プログラムへの参加は無料で、ポーランドでビジネスを展開し、移住や税法等の分野に関する知識を得て、ポーランドのビジネスコミュニティとの関係を確立し、強化したいと考えているベラルーシのスタートアップ企業を対象としている。

成功へつながる「4つのステップ」

 プログラムは4段階構成となっている。第1段階は「プレランディングパッケージ」というもので、会社の登記支援や法律、組織の問題に関する学習サポートを受けることが出来る。各種資料を無料で提供してもらえるほか、ウェビナーへの参加も可能だ。第2段階の「新規エンティティ」では、会社の登記を完了するための専門的な支援を受けることが出来る。第3段階の「最初の30日間」では、ビジネスに関するワークショップや専門家とのグループ協議に参加することができ、会社設立やポーランド市場での経営方法についての知識を共有出来る。第4段階の「スケールアップ」は、新たな海外市場で事業を展開したいと考える起業家に対する追加支援だ。
 ベンチャーカフェワルシャワの産業革新観光部代表、エヴァ・ゲレシュ氏は「会社設立後の最初の30日間で、海外における事業拡大の成否が決まる可能性が高い。だからこそ、新しい市場で迅速な展開を行うために必要なものを全て企業に提供したいと考えている。ソフトランディングは、ポーランドでビジネスを展開したいと考えているスタートアップにとって最適な提案となるだろう。」と述べた。
 同プログラムに参加できるのは、コンペを通して選ばれた5社で、専門家との個別セッションやワルシャワのコワーキングスペースの利用が可能となる。コンペの選考基準は、企業の環境・社会影響評価への取り組み及びその影響の大きさだ。
 CIC Polandの共同創設者であるイザベラ・グルスカ氏は、「ソフトランディングに参加する企業は、ポーランドのイノベーション・エコシステムに参加し、主要な人材、組織との接点を築く過程でCICから支援を受ける。CICワルシャワのスペースは、創造性を高め、効果的な作業環境を作り出せるよう設計されている。」 と話した。

ICT分野で活躍するベラルーシ起業家への支援

 ポーランド政府は9月から、ベラルーシ人起業家のポーランド進出を支援するプロジェクト「ポーランド・ビジネスハーバー」を実施している。同プロジェクトへの関心は非常に高く、活動開始からの3か月間で、PAIHには1,300件以上の問い合わせが届いた。現在PAIHは同プロジェクトを通して40社のベラルーシ企業を支援しており、うち30社以上がIT企業であるという。
 ソフトランディングを通して、ベラルーシ人はポーランドで迅速かつ効率的に業務を開始する方法を学ぶことができ、従業員の移住に関する支援や法律・ビザ関連の支援を受けることもできる。ベラルーシ出身の起業家や企業がポーランド国内にオフィスや住居を設けることで、地方自治体や経済特区との関係性づくりを支援してもらうことも可能となる。支援内容の中には、起業家と投資家を結び付ける形での支援や研究開発活動のための助成金なども含まれている。

参考:
https://www.paih.gov.pl/20201203/softlanding?utm_source=baza-newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=20201221_PBB_en-december-2020

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