ポーランドで近年増加している雇用形態が、「一人事業主」(Jednoosobowa działalność gospodarcza, Sole proprietorship)と呼ばれるフリーランサーと企業とのB2B契約である。Business Insider Polskaによると、10社中6社は定期的に一人事業主との契約を結んでいるとされ、その数はさらに増える可能性が高いという。
カジュアルに仕事をしたい人向き、不安定な収入、自由な働き方、等のイメージが日本では強いフリーランサーであり、ポーランドでもそのイメージは類似していたが、ここ数年で状況は大きく変化を遂げている。
企業側の主な利点は、従業員の雇用に関わる費用削減と柔軟な従業員マネージメントを可能にすることである。従業員にかかる社会保険料等の税金を削減することができ、また従業員解雇のハードルが高いポーランドで、B2B契約で質の高い人材を確保できるとのことでメリットが大きい。
雇われる側のメリットもある。従業員契約の場合、年間所得120,000 PLN(約450万円)を超えた分の所得税課税率は32%となり、その他社会保険料等を含めると額面からの差引額が大きくなるケースが多い。一人事業主の場合、課税方式は選択式となっており、定率課税を選んだ場合、所得額に関係なく一律19%の課税となる。条件等はあるが、特に給与水準の高いIT業界等では、一人事業主形態でのB2B契約を選択する人が多い。
またフリーランサーとのB2B契約といえども、従業員と同様の扱いで福利厚生(プライベート保険やジムカード、チーム内親睦会等)へのアクセスがあることも多く、企業側が良い人材を確保するための工夫も見られる。
もちろん、契約の打ち切りは従業員契約と比べても簡単であり、税金の支払いや老後資金の積立等、普段は会社が行う行政処理を個人で行う必要があるという課題もあるが、スキルの高い人材にとっては魅力的な制度であり、企業側のメリットも大きいことから、今後もさらにフリーランサーと企業間のB2B契約は増加すると見られている。
出展:
https://businessinsider.com.pl/praca/zmiany-na-rynku-pracy-polskie-firmy-stawiaja-na-freelancerow/44pyq8p
https://www.biznes.gov.pl/pl/portal/00172#:~:text=Do%20wyboru%20masz%20trzy%20formy,rycza%C5%82tem%20od%20przychod%C3%B3w%20ewidencjonowanych.