大都市で高騰する不動産価格

ポーランドの首都ワルシャワのワンルームマンション平均家賃が、1年前の1.5倍に上昇している。

不動産情報サイトを運営するMorizon.plGratka.plの分析によると、
賃貸市場の入居募集物件数は昨年から35%減少している。
これには、戦争の勃発とウクライナからの難民流入が大きく関係しているが、
供給量の減少はそれよりも早く、2019年末からすでに始まっていた。

2019年8月と比較すると、ワルシャワ、クラクフ、ポズナン、グダンスク、ヴロツワフの5都市で賃貸物件数が67%も減少していることがわかった。

物件不足を原因とする家賃高騰も、大都市を中心に急速に進んでいる。

賃貸広告を分析したところ、
上記
5都市における平均家賃は、過去1年間で平均34%上昇しているとの結果が出た。

各都市の平均賃貸価格

出典:Morizon.pl (1ズロチ=30円として計算)

さらに、賃貸のみならず中古物件や新築物件の価格も大都市を中心に上昇傾向にある。

出典:morizon.pl

今後の展望

家賃が下がり始めることをあてにするのは難しい、と専門家は分析する。
物件の供給量が少ないことに加え、ポーランド全土でインフレが進行していることがその要因だ。
賃貸アパートの購入費や家具代だけでなく、共用部分の管理、ゴミ処理、照明、暖房や水道の前払いなど、建物の管理にかかる費用も軒並み値上がりしているのだ。
予想される値上げに備え、
アパートのオーナーはすでに値上げ分を賃貸料に織り込んでいることも多い。

【編集後記】

当社スタッフの周囲でも、
契約更新のタイミングで家賃が9000円~15000円ほど値上げされるといった話をよく耳にしています。

中には、大学を卒業し立派な仕事に就いているにもかかわらず、
今度の契約更新で家賃が値上がりしたら、生活を維持するために実家に戻る
と話す人も身近におり、家賃高騰は多くのポーランド人にとっての共通の困りごととなっています。

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