クラクフの避難民とその支援の現状(3/13)

ポーランドの国境警備隊は、3/11時点で、同国に入ったウクライナからの避難民が、152万人に達したと発表しました。
このような状況下で、弊社がオフィスを構えるポーランド南部の都市クラクフがどのような状況なのか、現地で撮影した映像資料を交えてご紹介します。

クラクフ:ポーランド南部最大の都市で、人口は約78万人。ウクライナ西部の大都市リビウとは、
幹線道路でつながっており、電車も様々な場所に発着するため、毎日多くの避難民の方が訪れている。

#5 クラクフ中央駅構内 ボランティアインタビュー

この日(2022年3月13日)は休日ダイヤのため、ウクライナとの国境・Przemyśl駅から到着する列車の本数は少なかったですが、依然としてクラクフ中央駅構内は、ウクライナから避難して来た方たちで溢れていました。

避難して来た方たちの中には身一つで逃げて来た方たちも多く、物資・住居・金銭・言語と、多方面に不安を抱えたまま、駅で身動きを取れずにいます。

こういった状況を受けて、
ポーランド人はもちろん海外からも多くのボランティアの方がクラクフにやってきています。

駅構内でボランティア活動に取り組む方々にインタビューを行ったので、現地からの声をご紹介します。

①ドイツからいらしたご夫婦

ーどのような活動に取り組まれていますか?

私たちはボランティアで物資をポーランドに届ける帰りに、ドイツまで車で避難民を送っています。

ドイツ語で「ケルン・ボン(ドイツの都市)4~5名」と書かれた紙を持っている

ー今の状況をどのように感じていらっしゃいますか?

この状況はウクライナの方達にしてみたらとても恐ろしい状況です。

2週間前まではいつものように朝食をとり仕事に向かっていた人たちが、今では仕事もお金もなく、避難民として国を追われているなんて・・。

私たちは避難民のドイツへの避難のサポートをしていますが、
多くの方がウクライナから離れたくなくて、ドイツへの避難を望んでいません。

なぜなら、彼らは明日にでもウクライナに帰りたいからです。

多くの避難民がウクライナから近いポーランドでの滞在を望み、
国境に近いプシェミシルといった場所で戦争が終わるのを待っています。

私たちには小さい事しか出来ないが、この積み重なりが、大きな事になると思っています。

②ドイツ人ボランティア(男性)

―なぜボランティアに参加されたのか、お聞かせ願えますか?

私はドイツ人の軍人で、休みをとって活動に参加しています。
ウクライナ侵攻のニュースを見て、すぐにボランティア参加を決意し、上司に交渉して休みを取り、初めてポーランドに来ました。

―どのようなボランティア活動をされていらっしゃいますか?

現状の写真を撮ってInstagramなどにシェアして、周囲から寄付金を集めています。

その寄付金で子供のためのおもちゃ・食事などを買ってここで配っています。
また、ドイツから11時間かけて車でここまで来ており、帰りは難民を乗せてドイツに戻っています。

活動中に、私のようにイタリアに難民を送り届けているボランティアにも会いました。

出会った難民の中には、
爆撃がトラウマになっている方もいれば、爆撃の幻聴に悩まされクラクフの精神病院に通っている方もいます。

その中の一人に、家族がアメリカにいる方がいます。
私はいま、どうにかしてその方をアメリカまで送り届けられないかという事についても、
考えているところです。

―実際に活動をされる中で、なにが不足していると感じますか?

物資を運ぶための大きなプラスチックバッグが必要だと思います。
なぜなら、彼らは身一つで避難してきており、
受け取った支援物資をしまって運ぶための入れ物すら持っていないからです。

クラクフ中央駅の様子

着ぐるみで子供のケアにあたるボランティア
子供のためのおもちゃ
インフォメーションセンターの様子
避難してきた動物用のえさ
動物用の支援物資

【写真】ASAGAO sp. z o.o. 撮影

当社と繋がりのある、ハリコフ在住ウクライナ人写真家Pavlo Dorohoi氏のインタビューが、
3月7日に毎日新聞夕刊に掲載されました。

こちらの記事は、電子版でも下記リンク先からお読みいただけます。
https://mainichi.jp/articles/20220307/k00/00m/030/005000c
現地の様子がよくわかる貴重な資料ですので、ぜひご一読をください。

取材協力について

当社には、クラクフに駐在する日本人・ポーランド人スタッフがおります。
・クラクフやその周辺の取材同行(兼通訳)
・クラクフやその周辺の写真/動画撮影(機材:iPhone)
・インタビューへのご回答
・ウクライナから避難してきた方や、ポーランドでボランティア活動を行っている方への取材アレンジ
・ポーランドでの各種報道/SNS投稿の翻訳
などの形で、メディアの皆様にご協力させていただいております。

ご相談は、下記メールアドレスまでお願いいたします。
info@asagao.pl

ご寄付受付について

当社では、クラクフ在住の日本人、ウクライナからの避難民の皆様と一緒に、
物資が枯渇しつつあるウクライナ国内に、いち早く必要な物を届けるための募金活動を実施しております。
詳細は、こちらからご確認ください。

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